Action for their dignity 尊厳を持つ彼らの為に
熊本市動物愛護センターの方 東京立川で講演
2011年02月13日
当日は前々から雪と分っていて、また日取り的にも人は集まり難いだろう思っていたら、
満杯・立ち見で、主催者も驚いていました。
2・3年前熊本市が殺処分数を大幅に削減したと知り、今日ようやく詳細を様々知ることができました。
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行政だけだったら出来ていません。(熊本市職員さん談)
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もともと所長さんも殺処分のスイッチを押すのは嫌だったそうで、
平成13年頃、市民共同が流行りだし、
多方面からの協力により殺処分回避の為の取り組みを始められた。
協力先として、
・獣医師会
しかし当初、動物愛護団体が入るなら獣医師会は入らないと発言。
※しかし入って頂いたとの事。
・動物愛護団体
センターへ愛護団体から電話が掛かり、
30分から1時間怒られたりしていた。
所長さんはそれでトラウマになる程だったそうです。
※しかし入って頂いたとの事。
・動物取り扱い業者
・盲導犬使用者の会
意見が欲しい為
・熊本市推薦の方3名
・公募で2名
これらの方々で話し合いが始まったが、
最初は行政からの報告に対する批判などで纏まらず、
所長さんは諦める事も考えたそうだが、
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・ブレーンストーミング=付箋紙に意見を書く。
(企業内などでのワーショップで最初によくやるやつですね。)
・お互いの批判はしない。
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を行ってみて
各分野の人がそれぞれやれる事などを分類すると、
お互いに共通点があることを知ることができた。
その場面では、『行政はここまでしかやれませんよ。』も話したそうで、
それぞれの守備範囲・得意分野にて分担する協力関係が構築できて行ったそうです。
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殺処分ゼロを目指す為の柱となる事業
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●飼い主への返還に力を入れる
●新しい飼い主への譲渡
●子供達などへの指導
以上が行われており、引き取り手が見つからなかった動物達が殺処分される。
- 殺処分と成らぬ様に重要なのが『出口』を大きくする事。
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●飼い主への返還
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平成13年当時は12%だった。
現在の飼い主への返還率が45%。
来所し、引き取りを要望する飼い主への説得では
「動物愛護法の35条を知っているのか?」と叱りを受ける事がある。
引き取りは義務であるが、しかしカンタンには引きらない。
※説得内容
・簡単に引き取りを受けず説得する。
・最後の事を考えて飼い始めたかを聞く。
-- 引き取りを拒否しているのではなく、
(そんな報道もされたが)拒否ではなく、”説得”である。
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●収容許容数を超えると殺処分対象となる
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熊本市動物愛護センターでは60頭までだが、一時期82等となったり。
収容数にはリミットがあり、それにより殺処分となる。
※2年以上保護する場合もある。
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●収容環境の改善
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当初、狭いスペースに10頭くらい入れていたが、それではどの犬がどれだけ餌食事をしたのかがつかめない。等から改善に熊本市動物愛護センターは努められている。
・人と打ち解けるようにも指導。
・訓練もする。社会性の少ない犬も、それが変わる方法で保護されている。
・清潔さにも常に留意なさっており、収容場所だけでなく、月一回から二回のシャンプーが行われている。
・トリマーさんなど専門家も呼ぶ。
行政による緊急雇用対策として県の方から、期限付きでトリマーバイトさんが来てるそうです。
※譲渡の為の施設が、1・2年以内にできるそうです。
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●捨て犬を減らしたい。(事前の取り組み)
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大人は難しいから、小学校幼稚園に行き、
「殺す事もあります。」も含めセンターの仕事を伝える。
心音を犬と自分の双方を聞かせて、一緒であることを知っていもらう。
これらは好評との事。
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●譲渡までの経緯
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・譲渡対象は収容した全部が最初は対象である。
・子犬は黙っていても貰われて行く。
・正犬は難しい、噛まれたりで怪我になったら問題。
・1週間から10日で譲渡可能な犬かどうか見極める。
※「10日間に制限した見極め期間には抵抗がある。」と所長さん。
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●熊本市動物愛護センターの実績
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平成14年は生存率12%であったが、
平成21年(12月まで)は生存率なんと83%!
皆さんのアナログなご尽力は本当に凄い。そこでしか出来ない事が殆どなのだろうか。
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●ブリーダーの実情
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過密なスペースで、且つ幼い犬達含め過密な交配(近親の場合もある)を行うブリーダーも。
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●ペットショップの実情
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・ケージにて陳列されている裏側でダンボールに入れられている犬たちも写真により紹介。
・転売などが行われている。
・ペットショップで死ぬケースも少なくない。
よく言われていることですが、
日本の様に狭いケージで”陳列”展示するペットショップは海外では少ない。
以上などが紹介されました。
大変勉強になりました。